クトゥルフ神話TRPGリプレイ 「屋根裏部屋の怪物」 その4
2012年4月22日 TRPG コメント (4)今日は奇妙な縁で、父親の仕事仲間だった人が開催している料理教室に行ってきた。
作った品目は下記の3品。
・ビーフストロガノフ
・サーモンとアボカドのプディング風サラダ
・クリームブリュレ
うし、うし。うしを使う!(挨拶)
・前回のあらすじ
病院にお見舞いに行ったら先生が昔話してきたよ
http://redblue.diarynote.jp/201204210254011015/
私がまだ若い頃、君たちと同じようにオカルトサークルに入っていたんだ。
「暗黒の兄弟」と名乗ってねぇ・・・、近くの村の古い農家を買い取ってそこで交霊実験やら儀式の検証やらをしていたんだ・・・。
今思うと馬鹿なことをしたもんだ・・・。
まぁ・・・半分遊びのようなものだったから殆どは失敗したよ。
そう・・・それでよかったんだ・・・。
誰も成功なんて望んでいなかったんだ・・・ただちょっとしたスリルが欲しくて・・・私たちはオカルトに手を出していたんだ・・・。
それがあんなことになるとは・・・・・・。
ああ、すまない・・・話が脱線してしまったね。
さっき「交霊実験や儀式の検証をした」って言ったね?
そう・・・成功・・・してしまったんだ・・・。
あるとき一つ上の先輩が「本物」だと言い張る魔道書を持ってきてね・・・それを皆で本物か確かめてやろうということになったんだ・・・。
その魔道書には「この世のものならざる怪物を呼ぶ儀式」のやり方が載っていてね・・・そいつを呼べたら本物だってね、実際にやってみることにしたんだ。
結果、それは本物だったよ。
幸いにもそれを封じ込める儀式というのも載っていてね・・・なんとか屋根裏部屋にそいつを閉じ込めることに成功したよ・・・。
だけど、それは私たち儀式を行った人間が生きている間だけだ・・・。
頼む、あいつを元来た場所に追い返してくれ!!
必要なものは全てこの黒い箱に入っている・・・。
封印が解けてあいつが出てきたら・・・きっと何人も・・・いや、何十人も犠牲者が出る!!
私には力が足りず追い返すことが出来なかったが・・・君たちなら!
君たちならやれるはずだ!!
どうか・・・どうか助けて・・・!!
ルパートはそう言いかけると突然胸を押さえてうずくまった。
教え子たちは心配そうに近づくと、その瞬間。
ルパールは大量の血を吐き出し、小刻みに痙攣した。
KP :グバァ!!(迫真の演技)はい、じゃあ正気度ロールして~。
※ここでアイテム「黒い箱」をゲット
1/0(SAN値の数値以上を1D100で出したらSAN値-1)
<全員失敗>
KP:それではあなた達はそのショッキングな光景に戦慄します。
オカピー「うへぇ・・・俺って血駄目なんだよね・・・」
めぐすけ「うへぇ・・・私も血って駄目な人なんだよね~」
ズーシミ「うへぇ・・・」
KP:お前らもうちょっとリアクション取れよ!!
部屋の騒ぎを聞いたルパートの妻と息子は慌てて部屋の中に入ってきて、血を吐いて痙攣している彼を見るとすぐに彼の元に駆け寄った。
KP :貰った箱はどうする?隠す?
オカピー:ん~、じゃあせっかくだから隠すよ。この人、服ヒラヒラしてるから隠しやすそうだし。
※スレイベンの破滅預言者が喋っていると思ってください
判定<失敗>
オカピー:Oh・・・。
ルパートから貰った箱をオカピーはそっと法衣の下に隠そうとした。
しかし、手が滑ってそのまま床に落としてしまう。
オカピー「違います、この箱は奇跡で私が生み出したものです」
ルパートの妻と息子は一瞬あなたを怪訝な表情であなたを見るが、すぐに瀕死のルパートの看病に戻った。
KP :そしてあなた達は奥様から「少し・・・席を外してください」と言われます。
めぐすけ「大丈夫、先生。私の部族に伝わる薬できっと治る!」
オカピー「どいてください。今こそ私の奇跡を見せるべきです」
ズーシミ「とどめを・・・」
KP :出てけやてめえら!!
全員 :へーい。(スゴスゴ)
あなた達は部屋の外で待っていると、医者らしき人物からルパートが無くなったことが告げられた。
中からは残された二人のすすり泣く声が聞こえてくる。
あなた達はそれを聞いて、この場から立ち去ることに決めた。
めぐすけ:先生死んじゃったんだけど・・・どうすんの?
オカピー:とりあえず箱開けない?どっか皆で話せる場所とか無い?
KP :それじゃあひとまず喫茶店かなんかに皆で移動するってことで。
あなた達は家族の心情を汲み取り、ひとまずその場を立ち去ることにした。
手にはルパートに渡された黒い箱。
とりあえずこれを開けてみようと近くの喫茶店にまで移動することにした。
KP :では喫茶店です。箱はクッキー缶くらいの黒い箱で、開けようと思えば簡単に開けられます。
オカピー:じゃあ開けます。
箱には家の権利書と金で出来た古風なデザインの棺桶型の小さな箱、それに家のカギと革張りの古い日記が入っていた。
オカピー:箱の中に箱・・・マトリョーシカか!
ズーシミ:権利書は先生が話してた家の権利書?
KP:そう。場所はここから車で20分もしないところにあって、行こうと思えば日帰りで帰ってこれるね。
だから「場所が遠いから」っていう理由で探索を拒否することは出来ないからね?
超近いから簡単に行けるからね?
オカピー:(必死やなぁ・・・)箱は?中身なんかあるの?
KP :特に何も入って無いです。調べるなら「歴史」ロールで調べて。
ズーシミ:じゃあ高いから俺が~。
<成功>
KP :では、あなたはこの箱に書かれている文字がエジプトの象形文字で書かれていることが分かります。
ズーシミ:アラブ語持ってるんだけど・・・これ・・・。
KP :うん、エジプトでいいよ。
<失敗>
KP :プギャーwwwwwwwあなたはその象形文字がエジプト語ということだけ分かりましたが、その意味までは分かりませんでした。
ズーシミ:ちくしょうwwwww
KP :でも大学に勤めてるから同僚に頼んだって事で、後で文章の意味を教えるよ。
オカピー:他になんか分かることとかある?
KP :ん~・・・あ、箱の裏に象形文字と似たような文字があります。これは「オカルト」ロールで判定して。
オカピー:全員振ってないか・・・。
じゃあ平目で振ります。邪心ナン=トカ!!
<成功>
KP :ほwww成功したwwwwww
オカピー:これぞ神の御加護wwwwwwwww
KP :では、あなたはこのふたの裏に書かれている文字がムー大陸の文字に似ている文体だと分かります。
オカピー「みんな、聞いてくれ!このふたの裏に書かれている文字はムー大陸のものなんだ!神のお告げだから間違えない!!」
オカピー:で、他には?(ワクワク)
KP :すみません、もう無いです。
オカピー:Oh・・・。
オカピー:もう他に情報はないか・・・。
KP :じゃあ日記読む?誰が読む?
ズーシミ:え?誰かって関係あるの?
オカピー:じゃあ僕読むわ。皆に分かるように朗読して
オカピー「じゃあこの日記を読むか」
めぐすけ「私~人の日記を読むのってどうかと思うの~」
オカピー「安心しろ、私は人の日記を朗読するのが趣味だ」
作った品目は下記の3品。
・ビーフストロガノフ
・サーモンとアボカドのプディング風サラダ
・クリームブリュレ
うし、うし。うしを使う!(挨拶)
・前回のあらすじ
病院にお見舞いに行ったら先生が昔話してきたよ
http://redblue.diarynote.jp/201204210254011015/
私がまだ若い頃、君たちと同じようにオカルトサークルに入っていたんだ。
「暗黒の兄弟」と名乗ってねぇ・・・、近くの村の古い農家を買い取ってそこで交霊実験やら儀式の検証やらをしていたんだ・・・。
今思うと馬鹿なことをしたもんだ・・・。
まぁ・・・半分遊びのようなものだったから殆どは失敗したよ。
そう・・・それでよかったんだ・・・。
誰も成功なんて望んでいなかったんだ・・・ただちょっとしたスリルが欲しくて・・・私たちはオカルトに手を出していたんだ・・・。
それがあんなことになるとは・・・・・・。
ああ、すまない・・・話が脱線してしまったね。
さっき「交霊実験や儀式の検証をした」って言ったね?
そう・・・成功・・・してしまったんだ・・・。
あるとき一つ上の先輩が「本物」だと言い張る魔道書を持ってきてね・・・それを皆で本物か確かめてやろうということになったんだ・・・。
その魔道書には「この世のものならざる怪物を呼ぶ儀式」のやり方が載っていてね・・・そいつを呼べたら本物だってね、実際にやってみることにしたんだ。
結果、それは本物だったよ。
幸いにもそれを封じ込める儀式というのも載っていてね・・・なんとか屋根裏部屋にそいつを閉じ込めることに成功したよ・・・。
だけど、それは私たち儀式を行った人間が生きている間だけだ・・・。
頼む、あいつを元来た場所に追い返してくれ!!
必要なものは全てこの黒い箱に入っている・・・。
封印が解けてあいつが出てきたら・・・きっと何人も・・・いや、何十人も犠牲者が出る!!
私には力が足りず追い返すことが出来なかったが・・・君たちなら!
君たちならやれるはずだ!!
どうか・・・どうか助けて・・・!!
ルパートはそう言いかけると突然胸を押さえてうずくまった。
教え子たちは心配そうに近づくと、その瞬間。
ルパールは大量の血を吐き出し、小刻みに痙攣した。
KP :グバァ!!(迫真の演技)はい、じゃあ正気度ロールして~。
※ここでアイテム「黒い箱」をゲット
1/0(SAN値の数値以上を1D100で出したらSAN値-1)
<全員失敗>
KP:それではあなた達はそのショッキングな光景に戦慄します。
オカピー「うへぇ・・・俺って血駄目なんだよね・・・」
めぐすけ「うへぇ・・・私も血って駄目な人なんだよね~」
ズーシミ「うへぇ・・・」
KP:お前らもうちょっとリアクション取れよ!!
部屋の騒ぎを聞いたルパートの妻と息子は慌てて部屋の中に入ってきて、血を吐いて痙攣している彼を見るとすぐに彼の元に駆け寄った。
KP :貰った箱はどうする?隠す?
オカピー:ん~、じゃあせっかくだから隠すよ。この人、服ヒラヒラしてるから隠しやすそうだし。
※スレイベンの破滅預言者が喋っていると思ってください
判定<失敗>
オカピー:Oh・・・。
ルパートから貰った箱をオカピーはそっと法衣の下に隠そうとした。
しかし、手が滑ってそのまま床に落としてしまう。
オカピー「違います、この箱は奇跡で私が生み出したものです」
ルパートの妻と息子は一瞬あなたを怪訝な表情であなたを見るが、すぐに瀕死のルパートの看病に戻った。
KP :そしてあなた達は奥様から「少し・・・席を外してください」と言われます。
めぐすけ「大丈夫、先生。私の部族に伝わる薬できっと治る!」
オカピー「どいてください。今こそ私の奇跡を見せるべきです」
ズーシミ「とどめを・・・」
KP :出てけやてめえら!!
全員 :へーい。(スゴスゴ)
あなた達は部屋の外で待っていると、医者らしき人物からルパートが無くなったことが告げられた。
中からは残された二人のすすり泣く声が聞こえてくる。
あなた達はそれを聞いて、この場から立ち去ることに決めた。
めぐすけ:先生死んじゃったんだけど・・・どうすんの?
オカピー:とりあえず箱開けない?どっか皆で話せる場所とか無い?
KP :それじゃあひとまず喫茶店かなんかに皆で移動するってことで。
あなた達は家族の心情を汲み取り、ひとまずその場を立ち去ることにした。
手にはルパートに渡された黒い箱。
とりあえずこれを開けてみようと近くの喫茶店にまで移動することにした。
KP :では喫茶店です。箱はクッキー缶くらいの黒い箱で、開けようと思えば簡単に開けられます。
オカピー:じゃあ開けます。
箱には家の権利書と金で出来た古風なデザインの棺桶型の小さな箱、それに家のカギと革張りの古い日記が入っていた。
オカピー:箱の中に箱・・・マトリョーシカか!
ズーシミ:権利書は先生が話してた家の権利書?
KP:そう。場所はここから車で20分もしないところにあって、行こうと思えば日帰りで帰ってこれるね。
だから「場所が遠いから」っていう理由で探索を拒否することは出来ないからね?
超近いから簡単に行けるからね?
オカピー:(必死やなぁ・・・)箱は?中身なんかあるの?
KP :特に何も入って無いです。調べるなら「歴史」ロールで調べて。
ズーシミ:じゃあ高いから俺が~。
<成功>
KP :では、あなたはこの箱に書かれている文字がエジプトの象形文字で書かれていることが分かります。
ズーシミ:アラブ語持ってるんだけど・・・これ・・・。
KP :うん、エジプトでいいよ。
<失敗>
KP :プギャーwwwwwwwあなたはその象形文字がエジプト語ということだけ分かりましたが、その意味までは分かりませんでした。
ズーシミ:ちくしょうwwwww
KP :でも大学に勤めてるから同僚に頼んだって事で、後で文章の意味を教えるよ。
オカピー:他になんか分かることとかある?
KP :ん~・・・あ、箱の裏に象形文字と似たような文字があります。これは「オカルト」ロールで判定して。
オカピー:全員振ってないか・・・。
じゃあ平目で振ります。邪心ナン=トカ!!
<成功>
KP :ほwww成功したwwwwww
オカピー:これぞ神の御加護wwwwwwwww
KP :では、あなたはこのふたの裏に書かれている文字がムー大陸の文字に似ている文体だと分かります。
オカピー「みんな、聞いてくれ!このふたの裏に書かれている文字はムー大陸のものなんだ!神のお告げだから間違えない!!」
オカピー:で、他には?(ワクワク)
KP :すみません、もう無いです。
オカピー:Oh・・・。
オカピー:もう他に情報はないか・・・。
KP :じゃあ日記読む?誰が読む?
ズーシミ:え?誰かって関係あるの?
オカピー:じゃあ僕読むわ。皆に分かるように朗読して
オカピー「じゃあこの日記を読むか」
めぐすけ「私~人の日記を読むのってどうかと思うの~」
オカピー「安心しろ、私は人の日記を朗読するのが趣味だ」
クトゥルフ神話TRPGリプレイ 「屋根裏部屋の怪物」 その5
2012年4月22日 TCG全般宇宙CQCですよ!(挨拶)
なんにも関係ないけど、今日髪切った。
・前回のあらすじ!
ルパート先生が死んだ!
現在遺品を喫茶店で物色中。
http://redblue.diarynote.jp/201204220055401817/
めぐすけ「私~人の日記を読むのってどうかと思うの~」
オカピー「安心しろ、私は人の日記を朗読するのが趣味だ」
オカピーは日記を朗読した。
その日記は1881年6月から1882年3月まで書かれていたものだということが分かった。
その日記の大半は彼らが作ったオカルトサークル、「暗黒の兄弟」の活動について書かれていた。
メンバーはルパートを含めて6人、最年長だったマリオン・アレンという人物がリーダーを務めていたようだ。
マリオンはグループの活動に熱心だったようで、古い農家を買ってオカルトの実験場にしようと言ったのも彼の提案だった。
おまけに他の人とは違って、彼は本気で魔術を信じていた。
家を改装するときにも窓や扉に特別な防護印を刻んでいたし、怪しげな魔術書の類にも金を惜しまなかった。
日記の終わりに近いところで、マリオンがある品物を入手したことについて書かれていた。
それは小さな棺桶のような箱に入っていて、琥珀色をした黄色い大きな塊だった。
マリオンが言うにはその中には未知の生き物が封じ込められていて、その魂を解き放つと自分達を霊魂の世界に案内してくれるのだそうだ。
その儀式のやり方は「妖蛆の秘密」という本に書かれており、それも彼は既に入手していたのだと書かれていた。
そして次のページからはその時の儀式の様子が書かれており、その内容はとても筆舌しがたいものだった。
儀式はその日の深夜に行われることとなった。
彼らは暖炉を灯し、床に五芒星を書いてその中央に黄色い塊を置いた。
そして「イブン=グハジの粉」とマリオンが呼んでいた粉を暖炉に一つまみ投げ込んで、呪文を唱えた。
この呪文を唱えきれば、その塊に閉じ込められている霊を解放出来て彼らの霊魂の世界に導いてくれるのだ。
長い時間が経った。
彼らは不思議な高揚感に包まれながらも、呪文を唱えきった。
すると塊から一筋の煙が上がり、ぼやけて半透明な生物がその中から出てきた。
実験は成功した、彼らが歓喜に沸いた次の瞬間。
メンバーの一人の首が飛んだ。
不可視の生物に首をもぎ取られたのだ。
マリオンが大きな声を上げて「イブン=グハジの粉」を投げかけた。
その時だった、粉を被った不可視の生物はそのおぞましい姿を現した。
そいつはこの世の醜悪なもの全てに悪意と足して混ぜたような外見をしており、体中についている口でもぎ取った首を美味そうに食べていた。
殺される。
その場にいる全員がそう思った。
しかし、まだ希望はあった。
この床に書かれている五芒星を消せば怪物を追い払うことができるのではないかと、そう考えていた。
メンバーの一人が慌てて床の五芒星の一部を消すと、怪物はこの世のものとは思えない金切り声をあげて風の如く家から飛び出していった。
五芒星は奴を封じ込めておくための結界だったのだ。
マリオンが書いた防護印が効力を発揮していたようで、そいつはその晩その家に彼らを殺しにくるということはしなかった。
その数日後、彼らは彼の怪物を封印すべく家へと戻った。
マリオンが言うには件の呪文を逆に唱えて、同じ儀式を行えばあの化け物を追い返すことが出来るのだそうだ。
そして家の近くまで行くと、外から見えないはずの屋根裏部屋から視線を感じた。
あの化け物があの家に戻ってきていたのだ。
印のせいで部屋には入れず、消えかけの五芒星のせいで自由に行動できず、唯一の安息地である屋根裏部屋から封印している憎い奴らを食い殺してやろうと機を窺っているのだ。
彼らはその場から逃げ出した。
取り返しの付かないことをしてしまったと良心に潰されそうになりながらも、彼らにはもうどうすることも出来なかったのだ。
なんにも関係ないけど、今日髪切った。
・前回のあらすじ!
ルパート先生が死んだ!
現在遺品を喫茶店で物色中。
http://redblue.diarynote.jp/201204220055401817/
めぐすけ「私~人の日記を読むのってどうかと思うの~」
オカピー「安心しろ、私は人の日記を朗読するのが趣味だ」
オカピーは日記を朗読した。
その日記は1881年6月から1882年3月まで書かれていたものだということが分かった。
その日記の大半は彼らが作ったオカルトサークル、「暗黒の兄弟」の活動について書かれていた。
メンバーはルパートを含めて6人、最年長だったマリオン・アレンという人物がリーダーを務めていたようだ。
マリオンはグループの活動に熱心だったようで、古い農家を買ってオカルトの実験場にしようと言ったのも彼の提案だった。
おまけに他の人とは違って、彼は本気で魔術を信じていた。
家を改装するときにも窓や扉に特別な防護印を刻んでいたし、怪しげな魔術書の類にも金を惜しまなかった。
日記の終わりに近いところで、マリオンがある品物を入手したことについて書かれていた。
それは小さな棺桶のような箱に入っていて、琥珀色をした黄色い大きな塊だった。
マリオンが言うにはその中には未知の生き物が封じ込められていて、その魂を解き放つと自分達を霊魂の世界に案内してくれるのだそうだ。
その儀式のやり方は「妖蛆の秘密」という本に書かれており、それも彼は既に入手していたのだと書かれていた。
そして次のページからはその時の儀式の様子が書かれており、その内容はとても筆舌しがたいものだった。
儀式はその日の深夜に行われることとなった。
彼らは暖炉を灯し、床に五芒星を書いてその中央に黄色い塊を置いた。
そして「イブン=グハジの粉」とマリオンが呼んでいた粉を暖炉に一つまみ投げ込んで、呪文を唱えた。
この呪文を唱えきれば、その塊に閉じ込められている霊を解放出来て彼らの霊魂の世界に導いてくれるのだ。
長い時間が経った。
彼らは不思議な高揚感に包まれながらも、呪文を唱えきった。
すると塊から一筋の煙が上がり、ぼやけて半透明な生物がその中から出てきた。
実験は成功した、彼らが歓喜に沸いた次の瞬間。
メンバーの一人の首が飛んだ。
不可視の生物に首をもぎ取られたのだ。
マリオンが大きな声を上げて「イブン=グハジの粉」を投げかけた。
その時だった、粉を被った不可視の生物はそのおぞましい姿を現した。
そいつはこの世の醜悪なもの全てに悪意と足して混ぜたような外見をしており、体中についている口でもぎ取った首を美味そうに食べていた。
殺される。
その場にいる全員がそう思った。
しかし、まだ希望はあった。
この床に書かれている五芒星を消せば怪物を追い払うことができるのではないかと、そう考えていた。
メンバーの一人が慌てて床の五芒星の一部を消すと、怪物はこの世のものとは思えない金切り声をあげて風の如く家から飛び出していった。
五芒星は奴を封じ込めておくための結界だったのだ。
マリオンが書いた防護印が効力を発揮していたようで、そいつはその晩その家に彼らを殺しにくるということはしなかった。
その数日後、彼らは彼の怪物を封印すべく家へと戻った。
マリオンが言うには件の呪文を逆に唱えて、同じ儀式を行えばあの化け物を追い返すことが出来るのだそうだ。
そして家の近くまで行くと、外から見えないはずの屋根裏部屋から視線を感じた。
あの化け物があの家に戻ってきていたのだ。
印のせいで部屋には入れず、消えかけの五芒星のせいで自由に行動できず、唯一の安息地である屋根裏部屋から封印している憎い奴らを食い殺してやろうと機を窺っているのだ。
彼らはその場から逃げ出した。
取り返しの付かないことをしてしまったと良心に潰されそうになりながらも、彼らにはもうどうすることも出来なかったのだ。