サンレッドでも紹介されてたよ!!(挨拶)

みぞのくち野郎
http://www.tamai-group.com/ra-men.htm

ハローヤーヤー。
この挨拶がニコニコ動画の秋姉妹動画から取っているとは誰も気付くまい。

【東方】生焼け妹とカニの秋
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8716121

そして唐突に関係が無く、かもさながらこうなる事が必然的に決まっていたかのようにラーメンの話が始まるのだ。
ああ、なんという運命だろう。
この世界には様々な麺料理が溢れかえっているのに、私はラーメンを選択せざるを得なかったのだ。
まるで見えざる神にでも導かれたかのように、否、私を導いたのはきっと私達哀れな子羊を慈しくんでくれるような尊い天使のような存在では無いだろう。
むしろ私が肥満という名の脂とカロリーにまみれた冥府魔道に堕ちていくのを悦んで眺めていくような冒涜的で名状しがたい、口にするのもおぞましい悪魔のような存在なのであろう。
私はその存在に宇宙的な意志を感じざるを得なかった。
私は自らの清純たる潔白な意志でその悪魔からの誘惑に打ち勝とうと試みた。
しかし、所詮個たる存在、原初の本能をそのままに残した畜生などには世界の意志とも言える名状しがたい脂と旨みにまみれた冒涜的かつ蠱惑的な魅力を持つ偉大なる麺類、ラー=メンには抗うことなどは到底不可能だった。
私は誘蛾灯に誘われる虫の如く、武蔵溝の口駅近くの名状しがたいラーメン屋「みぞのくち野郎」の門戸を叩いていた。
否、叩かされたと言い変えても良い。
空腹という強迫観念に脳を侵されていた私にはもはや思考する余地などは砂粒ほどしか残されていなかった。
その零れ落ちてしまいそうな、砂上の楼閣如き意志で考えていた。
何故私は武蔵溝の口にいるのだろうか。
たまたま帰りに「あー、そういえば審判の日と瞬唱の魔道士があと1枚づつ欲しかったなー。どこにも売ってなかったけど、溝の口の過疎ってるイエサブならあんべ。丁度帰り道だし」と神の見えざる手に導かれ、そしてその神の手が瞬唱とデイジャを隠してしまったせいか。
はたまた我が心に巣食っている化け物がカロリーと肉を欲して起こさせた行動なのか。
はたまた大宇宙の支配者、スパゲッティ・モンスターの大いなる意志が我々盲目の子羊の深層心理に入りこんできたせいなのか。
ああ、ああ!
なんということだ。
神よ、私をこの恐ろしい死に至る病から解放してくれ。
私は心の中で神に懺悔を繰り返しながら店主に注文を頼んだ。
頼んだものは「野郎ラーメン」。
その冒涜的な名が記された札を店主に渡すと、彼は口角をぐにゃりと上げて微笑んだ。
彼が歩んできた苦難の道が刻まれたかのような皺だらけの顔が更に歪む。
それは私が破滅の道を転げ堕ちていく様を祝福してくれるかのようだった。
私はその場で立ち上がり、声高らかに叫んだ。
「ニンニクゥカラ=メ、ヤサィマシ!!ア=ブラ!アジコィメ!!」
「お客さん、うちそれやってないよ」
私はそっと席に座った。
それからは永遠とも思える程の永い時間が過ぎた。
全てはこの暴力的で原始的な欲求を満たすために。
しかし、それは突然やってきた。
「へい、お待ち」
それも私が思いもよらぬ形で。
目の前に置かれたのは大きなどんぶりに琥珀色の液体が満たされた、醤油ラーメンと称されるラーメンの類のものであった。
混沌たる白、とんこつラーメンを描いていた私とってこの純然たる醤油ラーメンはまさに晴天の霹靂とも呼べるものであった。
現世に顕現した地獄の釜とも呼べるそのラーメンを恐れ多くも箸でかき混ぜてみる。
中から出てきたのはトロトロと溶け出した豚の肉、うず高く積み上げられたネギ、二つに分けられた味付き卵、そしてそれらを統括するシナ=チクなどだ。
目の前には数多のトッピングたちがこちらを見つめていた。
鳥のから揚げ、ニラキムチ、おろしニンニク、きくらげ・・・。
それに胡椒や一味唐辛子などが威嚇するかの如く、傍らで控えている。
相手は物言わぬ食材のはずなのだが私はその時、獣に狙われたかの如き感覚に襲われていた。
私が食すべきものを選定しているのではない、彼奴等が食されるべきものどもを品定めしているのだ。
私は恐る恐るどんぶりの中に漂う麺を掬い上げ、そのまま口へと運んだ。
音を立て唇から口内へ運ばれていくその麺は中太縮れ麺。
その孕んだ悪徳(カロリー)とは裏腹に、優しさに満ち溢れた心地の良い口当たりだった。
そしてかの冒涜的なスープをほんの少し口に含む。
まず感じるのは強烈な塩分。
口の中に広がる動物的な名状しがたい出汁。
空腹と味覚への疎さが私を疲弊させ、思考を蝕んでいく。
ああ、透き通った豚骨が単純な鶏がらか判別出来ぬ私に英知を!!
万人はごくありふれた、平凡極まりないラーメンだと感じるであろう。
しかし、私はその普通をよしとする。
否、この単純なラーメンこそが真であるのだ。
鶏がら・トッピング・中太縮れ麺が織り成す混然一体の妙技こそがラーメンの真理とも言えるであろう。
真理を追い求めたものの末路は真に哀れである。
混沌とした伏魔殿の如きスープを作り、ごてごての装飾にまみれたそれを神の如く崇め奉るのだ。
真理は既に傍らにある。
隣に目を向けるのが恐ろしいだけなのだ。
そうして私はスープ、麺、上の具と飽き足らずに遂にかのトッピングにまで手を出した。
掴んだのはとりのから揚げ。
店が最も売りにしているものの一つである。
まるで決められていたかのような選択、私はその運命に神の影を感じられずにはいられなかった。
生命の終焉を感じさせるような冷め切ったから揚げを煉獄の如き熱を帯びているラーメンの汁に浸す。
そして一口、美味い。
から揚げに必要とされるカリカリ感などを全て犠牲にして、まるで名状しがたい冒涜的なパーコーメンのような味わいを生み出しているのだ。
そしてニラキムチ。
茶と白のみに覆われた世界に毒々しいまでの緑と赤が投げ入れられる。
シャクシャクとした清涼感溢れるおぞましいほどのニラの触感と、地獄の業火のような唐辛子の辛味が地獄の釜如きラーメンの中で激しく踊り狂う。
そしてきくらげ。
地上のものとは思えない程の筆舌しがたい海産物的な名前とは裏腹に、新たな触感が食を進める。
溢れんばかりにトッピングを追加し、本能のままにむさぼっていく。
しかし次第にラーメン屋へと導いた運命を弄ぶ悪魔とは別の魔物が姿を見せ始めていた。
有象無象に追加されるから揚げ、これを私は獣の如くむさぼっていた。
そうして4個目を手にかけたその瞬間、ついに恐れていたことが起こった。
それが起こることは必然だったのかも知れない。
しかし、私はそれから目を背け続け、ただひたすらに走っていただけだったかも知れない。
避けられる運命であった可能性も否定し切れないのだが、それを省みる術はもう失われた。
今はそれを甘んじて受け入れる以外の他に道は無いのだ。

お腹いっぱいになった。

冷えた脂が我が臓腑を蝕んでいき、さほど詰め込まれていない胃が悲鳴を上げてきたのだ。
お代わりという天への階段を諦めた私は残りのラーメンとから揚げを全てむさぼりつくし、その場を立ち去った。
ラーメンという圧倒的な存在に敗残した私には唯一つの感情しか残されていなかった。





ここのラーメンって絶対ビールと一緒に食べたら美味しいよね、お酒飲みたい。


コメント

オカピー
2012年6月17日16:20

なぜ、ラヴクラフトの作品を呼んでいないのにも拘らず、かのような慄然たる不可解極まりない、冒涜的文章が書けるのですか?

猛蔵
2012年6月17日23:28

なぜかのような文章を書けるのかと問われれば私に弁解する術はないだろう。
おおよそのまともな思考を持ちうる人々たちが思い描く世界とは別の彼方からの意志を私は受け取り、一心不乱にかのような文章を打ち込んだとしか説明のしようがないのだ。
この世界は遙か遠くの、人間の認知が及ばぬ外なる宇宙に潜むおぞましくも偉大なる神々の白昼夢に過ぎぬと私は考えている。
私が書き殴ったこの慄然たる不可解な文章は古き神々が覚醒する予兆なのかもしれない。
私はこれらに私達が現実と錯覚している夢うつつの世界がおぞましく名状しがたい現実に塗りつぶされる未来を感じずにはいられない。

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