マジック・ザ・ギャザリング!!
それは1993年にアメリカで誕生し、今もなお人々を熱狂させ続けている史上初のトレーディングカードゲームである。
 このカードゲームは長い歴史と共に、実に数多くの都市伝説を持っている。
例えば「ゲーム時間があまりにも長く、試合中にガラスの仮面を読み出した人がいた」、「ビリビリに破いて使用するカードがある」、「765枚デッキがある」、「MTGのカードはWotC社の地下にあるガラスケース入の脳みそが全てデザインしている」などがある。

 その中でも実しやかに噂されているのが『人間力』の存在だ。

 『人間力』とは『運命を操る力』!
これを持つ者は常に最強のカードを引くことが出来、最高のゲームを展開することが出来ると言われている。
一流のプレイヤーほど高い人間力を持ち、彼らは日常生活から人間力を高める努力をしているという話もある。

 これらは一般的には根も葉もない噂話だとされている。
しかし、果たしてそうなのだろうか?

 答えはMTGプレイヤーだけが知っている。


Force of human 第1話 「GPT」

八百万岡「_____アスフォデルの灰色商人をプレイ」
対戦相手「・・・ありません、投了します」
八百万岡「ありがとうございました(ふぅ・・・なんとか勝てた・・・。)」

八百万岡「(デッキの相性はいいはずだったのに苦戦したな・・・。次の決勝戦に勝てばGP西表島の3byeが貰えるけど、今のままじゃ厳しいだろうな・・・よし、少し『補充』をしてくるか)」

八百万岡「すみません、試合前にちょっとトイレ行ってきます」


<WC>

深原「フフフフ フフーフ フレイムターン♪(ガチャ)・・・あ、八百万岡さん。お疲れ様~っす。どうしたんですか?トイレの手洗い場なんか拭いて・・・」

八百万岡「あ、お疲れ様です。いや・・・水しぶきが飛んでるのが気になりましてね、次の人のためにもちょっとキレイにしておこうかなと思ったんですよ」

深原「へー、ナイス気配りですね。確かゴルフの石川遼くんも同じことやってるみたいですね。・・・あ、ひょっとして善行積んで『人間力』稼ごうとしてませんか~?」

八百万「ハハハ、まぁそんなところかな」

深原「・・・」ジャー
八百万岡「・・・」フキフキ

深原・八百万岡「!!」バッ

八百万岡「(『人間力』!?今深原さん、『人間力』って言ったか!?)」

深原「(八百万岡さんのこのリアクション・・・『人間力』の存在を知っている!?つまり・・・八百万岡さんは『人間力』を!『理解』して掃除を行っている!間違いない、彼は『人間力』使い・・・そう・・・『白の人間力』使いだ!!)」ドンッ


『白の人間力』!!
それは善行を積むことで高められる人間力。
 諺の「情けは人の為ならず」や四文字熟語の「因果応報」、「自業自得」という言葉が指すように、自身の行動は自分自身に反映される。その因果関係を利用した、最もポピュラーな人間力である。
 一流のプロスポーツ選手が大企業の社長は人格的にも素晴らしい人が多いと言われているが、それは本能的にこの白の『人間力』を高めて自身の運気を上げているせいだとも言われている。
 具体的には「歌い手である友人の動画を実名で宣伝し、学校の校内放送で流す」、「リア充に対する罵詈雑言をツイッターでつぶやく」、「電車で妊婦さんに席を譲る(デブを勘違いしても可)」などが善行だとされている。


深原「(八百万岡さんは決勝で当たる対戦相手・・・)」 

八百万岡「(『人間力』の存在を知っているとすれば厄介な相手になる・・・)」

深原・八百万岡「(仕方がない・・・)」

深原・八百万岡「(今!この場で潰す!!)」ドン!!!


八百万「深原さん、最近調子いいみたいじゃないですか。今回も全勝で決勝トーナメントまで進んでますし・・・」

深原「そうそう、この環境入ってから絶好調なんですよ!環境が合っていると言いますか、理想のデッキが出来たといいますか。今なら負ける気がしませんね!」ドヤァ!!

八百万岡「(この溢れる自信、そしてドヤ顔・・・深原さんは『赤の人間力』か・・・)」

『赤の人間力』!!
それは好きなカード、好きなアーキタイプ、そして好きなものを使うことで高められる人間力。
 好きだから使い続ける→好きだからより知りたくなる→知ったからこそもっと好きになるという、好き好き大好きうーどっかーんスパイラルによって加速度的に人間力が高められる。
 一般的には好きなものが限定的であればあるほど人間力の増加率が上がると言われている。
 この人間力は好きなものを公言したり、使い続ける以外にも「FNM3-0経験者の先輩として、同じようなデッキを使っている人の日記に対してアドバイスをする」、「頼まれてもいないのに、試合後に自分のデッキ解説をする」、「大会会場で同じようなデッキを使っている人以外に対して、とにかく説教をする」などを行うことによって高められると言われている。

深原「今の環境でライフゲインってほとんど使われていないじゃないですか。確かに灰色商人とか信心系の回復はあるんですが、それって結構後半じゃないと稼げないと思うんですよ。つまり今の環境は若干遅めだけど前半のテンポを取れるカードがなく、後半に爆発的にアドバンテージを稼ぐことでそれを埋めている環境だと思うんですよ。だから今は赤単ブリッツみたいな早いデッキがその隙をつけると思うんですね。僕はそこをラクドスにしてカードパワーを上げ、最後の数点が削れないような事が無いようにしたんですよ!いや~赤って本当にいいですよね!フフーン、その赤を使い続けている僕を褒めてくれてもいいんですよ?」フンスフンス

八百万岡「(このマシンガントーク、そしてこの某WotC社員のごときドヤ顔!さすが深原さんだ・・・。この人の『赤の人間力』はかなり高いレベルにまで洗練されている・・・!)」

深原「(どうだ、このレベル2ジャッジで鍛えられたドヤ顔。このドヤ顔とカード愛で八百万岡さんの『人間力』を上回って見せる、3byeを獲得するのは俺だ!!!)」

八百万岡「(確かに深原さんのドヤ顔はかなりのレベルにまで達している・・・しかし!それが仇となったな)」

八百万岡「深原さんは昔から赤使ってましたもんね~。いやー、プレイも本当に綺麗でまさに『赤の申し子』って感じですよ」

深原「えっ?そ・・・そうっすか・・・」テレテレ

八百万岡「そうですよ。デッキも斬新でオリジナリティ溢れるのを大会に持ってきてくれますし、僕深原さんのこと尊敬してるんですよ。あ、深原さんのそのメガネすごくオシャレですね。あれですか?やっぱり強い人はオシャレセンスも高いんですか?」

深原「い・・・いやいや、そんなことはないですよ・・・。このメガネだってメガネドラックで店員さんの言われるがままに買ったものですし・・・」テレリンテレリル

八百万岡「(ククク・・・これぞ赤の人間力対策、『HOME-GOROSHI』!!褒められていない日本人は褒められると必ず『謙遜』をする!!ましてや人のいい深原さん・・・褒められれば照れて謙遜することはドクターペッパーを飲んだらゲップをすることよりも確実ッ!このまま褒め殺して人間力を吸い尽くしてくれるわ!!)」

深原「(ハッ!?八百万岡さんのペースに乗せられて褒められるがままにされている・・・!!このままでは八百万岡さんは自身の人間力を上げて、俺は人間力を下がったままの状態で試合に望むことになる!それだけは避けないと・・・やむを得ない・・・『奥の手』を使うか・・・)」

深原「・・・あー・・・なんだか会場が暑いですね・・・。ちょっと上着脱ごう・・・」ヌギヌギ

八百万岡「そのオシャレなネルシャツ脱いじゃうんですか?でもインナーもオシャレなの着てるんでしょ・・・ハッ!!!!!」

深原’sシャツ<プリッキュアアアアアアアア!!>

八百万岡「(あれは・・・『ドキドキ!プリキュア』のキャラTシャツ!!!しかも・・・妙にピチピチだ・・・)」

深原「ん?・・・ああ、このシャツですか。最近プリキュアにはまっちゃいましてね、思わずキャラTシャツ買っちゃいましたよwww流石に小学生女子向けのしかありませんでしたが、LLサイズで買えば意外と入るんですよねwwwいやー身長無くて初めて感謝しましたわwwwww」

八百万岡「(うわああああ、流石にこれは褒められない!これはひどい、ひどすぎる!!・・・しかしこれで『確信』した!デッキの選択で気づくべきだった・・・深原さんは『赤』だけではない・・・『赤』と『黒』の混成色の『人間力』使いだ!!)」


『黒の人間力』!!
それは他の人間力をあえて落とすことによって、爆発的に高めることが出来る人間力。
 視覚を失った人の感覚がそれ補おうとして他の感覚が鋭くなるように、他の人間力を切り捨てることによって一点特価が可能となる。
 一般的には法律に触れるようなガチクズの行為ではなく、一般良俗からちょっと外れる程度のカジュアルクズな行為が良しとされている。
 具体的な行為では「大学の講義をサボって大会に出る」、「営業に出たついでにカードを買う」、「アイカツおじさん」、「クドわふたーをプレイ」などが挙げられる。

深原「特に相田マナちゃんがめちゃシコちんちん丸でしてね、日曜朝8:30からは朝勃ちからのモーニングオナニーですよwwwプリキュアをオカズにおはよう朝ごはんっすわwwwwww」

八百万岡「(最低だ・・・最低すぎる・・・が、しかし!深原さんは事実めっちゃいい人だし、どんなにひどい下ネタを言ってもの許される雰囲気がある・・・!この『最低だけどこの人ならしょうがない』という雰囲気が『黒の人間力』を最高にまで高める・・・!!)」

深原「そろそろ時間も押してますし、会場戻りましょうか」

八百万岡「え、うん・・・そ・・・そうですね・・・」

深原「(フーハハ、これで八百万岡さんは人間力を稼ぐことも出来ずに試合に臨むことになる!この勝負頂いた!!!)」

八百万岡「(まずい、このままだと確実に負ける・・・!!何か一発逆転の手は・・・ハッ!!あった!!これしかない!!)」

深原「八百万岡さんのデッキ相手だと厳しそうですが、負けませんよ・・・ってあっ!」

八百万岡「あっ!」

トークンカード「おい、踏むなよ」

深原「アイエエエ!カード!?ナンデ?ナンデエエエエ!?」

八百万岡「ああ、すみません!カード落としてしまいまして・・・でも他にもトークンありますし、大丈夫ですよ」

深原「でも・・・試合に使うカードなんでしょう?それを踏んでしまって・・・あの・・・なんと謝っていいか・・・」オロオロ

八百万岡「いいんですよ、僕も不注意でしたし・・・」

深原「(ああん、俺のドジ!おっちょこちょい!ロリコン!人のカードを踏むなんて・・・って・・・普通カードなんて落とすか・・・?しかもトイレ休憩中の何でもない場面で・・・まさか・・・)」

八百万岡「・・・」ニヤッ

深原「!?」

八百万岡「(ククク・・・深原さんはドラフトでどんなクソカードを集めても必ず持って帰る程カードを大切にするプレイヤー・・・!!そんな人がカードを足蹴にするなんて・・・精神的ショックは計り知れないよなぁ・・・)」クケケケケ

深原「あんた・・・そんな事したら自分の人間力まで・・・」

八百万岡「・・・深原さん。確かに俺が『白の人間力』使いだったら自分自身の人間力も大幅に下がっていたでしょう。でもね・・・」


八百万岡「俺は『白』『黒』混成の『人間力』なんですよ」ドン!!


八百万岡 win

コメント

タムー
2013年12月7日12:03

めちゃ面白い!
続き楽しみにしてます

猛蔵
2013年12月7日18:34

続き出来ました!

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